大型増資に理解を得るには、3会長退任が必須
ただ、10年3月期の連結最終利益の水準も他の2メガに及ばず、1株当たりの株主利益を希薄化させる大型増資に理解を得るためには、3会長退任が必須というのが金融界の一致した見方だ。金融庁も、こうした方向に誘導しようと陰に陽に、圧力をかけたといわれる。
3会長がトップに君臨した6~8年間に、みずほの業績は3メガで最下位に転落し、斎藤氏の「女性問題」も発覚するおまけもあった。3会長退任を受け、金融庁関係者は「3人そろって退任して影響がないなら、そもそも必要なかったということだ」と切り捨てる。
塚本社長は14日の会見で、斎藤氏の女性問題について「過去のことなので忘れた」と気色ばみ、傘下の2行体制を「顧客のニーズに合っている」と、ひとまずは従来路線を継続する考えを強調した。ただ、旧3行意識から脱却し、真に一体感ある経営に舵を切っていくことが、今後のみずほ浮上に不可欠というのが常識。いつ、どのように経営を刷新していくのか、塚本社長らの手腕が問われる。