店頭でカレーやチョコレート 匂い人工的に放って購買を刺激

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わさびの匂いで火災発生を知らせる

   匂いビジネスはこんなところにも広がっている。

   香りを使ったサービスを提供するシームス(東京都千代田区)は、わさびの匂いで火災を知らせる「臭気発生装置」を09年4月から販売している。国内に推計40万人いる聴覚障害者や高齢者向けの商品で、従来の音や光、振動で火災を知らせる火災警報器では気づきにくいといった不安の声があり、開発した。

   使われている匂いは、わさびのツンとする成分「アリルイソチオシアネート」。滋賀医科大学で寝ている被験者にこの成分をかがせる臨床試験を行ったところ、聴覚障害者を含む被験者14人のうち、鼻づまりの被験者を除く13人が、約1~2分で目が覚めた。聴覚に障害を持っている人ほど早く起きる傾向にあったという。

   鼻がつまると味覚がわからなくなるように、嗅覚と味覚は密接な関係にある。その作用に着目した商品も開発されている。

   こんな変わり種も登場した。お土産として話題の、味の飴「ご当地ドロップス」。09年は34万個を出荷した。鰹のたたき、ゴーヤチャンプル、明石焼きといった130種類以上の味があり、販売元の日本観光商事広報担当者は「香りで味を表現している」と明かす。なかでも納豆、スープカレー(札幌)、しば漬け(京都)、いちご煮(青森)ゆず胡椒(大分)は香りが強いそうだ。

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