100円ショップやドラッグストアで低価格品買う
ポーラ文化研究所によると、子ども向けの化粧品が初めて登場したのは1953年で、「ジュニアクリーム」というスキンケア化粧品だった。パッケージは少女の憧れだった中原淳一さんのイラスト。しかし価格は150円と当時としては高く、普及しなかった。本格的に子ども向け化粧品が登場したのは高度経済成長期のまっただ中だったが、当時まだメークは「お遊び」だった。
小中学生が大人と同じ化粧品を使って、本格的にメークするようになったのは最近で、きっかけになったのは小中学生向けファッション誌『ニコラ』(新潮社)や『ピチレモン』(学研パブリッシング)などが1990年代後半に創刊されたこと。
メークして誌面に登場するモデルに憧れて、こぞってまねをした。モーニング娘。など小学生アイドルが誕生したのも影響を与えた。また、100円均一ショップやドラッグストアで低価格のコスメが登場し、気軽に手を出しやすくなった。
ポーラ文化研究所は15~64歳の女性1500人に、初めてメークした時期について調査を行っている(07年)。年齢別、メーク商品別に調べたところ、目もと用品は若い年齢ほど小中学生で使い始める傾向がみられた。マスカラは15~19歳の場合、13.3%が中学生の時に使い始め、小学生と答えた人も2.7%いる。「20~24歳」は10.7%が中学生の時の使用で、0.7%が小学生と答えた。一方、25歳以上では小中学生での使用率が大きく減った。
アイシャドー、アイライナー、アイブロー(眉墨)についても、15~24歳のおよそ1割が小中学生で使い始めたと回答。化粧を始める時期が早まっているのが調査から分かる。