家電量販店で電動バイクの取り扱いが拡大している。走行時に二酸化炭素を排出しないので環境にやさしく、ガソリン式よりも燃費がいい。2010年内に大手メーカーも参戦し、市場の急拡大が見込まれている。
家電量販店ラオックスは2010年6月から2車種(7種類)の販売を秋葉原本店と東京・お台場のショッピングモール「ヴィーナスフォート」内の店舗で順次開始する。最大の魅力は燃費がガソリン式の4分の1~5分の1程度で済むこと。また、子どもがいる主婦を中心に、「二酸化炭素を排出せず、環境にやさしい」「モーター音が静か」と好評だ。
「走る家電」として売っていく
ラオックス商品担当者は、「秋葉原発の『走る家電』として売っていきたい」と意気込んでいる。一方で課題もある。故障時などのアフターサービス体制を整える必要があるからだ。
家電量販店エディオンは5月に電動バイクの販売を開始し、年内に100店舗に扱いを拡大する。2車種で価格は13~19万円。混雑時以外は敷地内で試乗ができる。関東を中心に37店舗で販売しているノジマも、6月を目途に全80店に導入する予定だ。
エディオンとノジマが販売するのは、カー用品メーカー、プロスタッフ(愛知県一宮市)の電動バイク。中国で製造し、同社の岐阜工場で組み立て、最終整備、点検をして出荷している。「ミレット」「イーブイアール ゴーゴー(EVR―55)」「デルスター」の全3車種を、家電量販店、ホームセンターなど500~600店舗に卸している。
プロスタッフ広報担当者は、
「家電量販店での販売でお客様との接点が増えて認知度が上がり、最近は商談の申し込みがたくさん来るようになりました」
と話している。
大手メーカーも電動バイク市場に参戦
なかでも引き合いが多いのは「ミレット」。3月1日の発売から5月21日までに1000台以上を出荷した。1円で約3キロメートル走り、家庭用100ボルトコンセントで充電できるので使い勝手がいいと好評だ。2~4時間の充電で35キロメートル走れる。価格は13万8000円。
大手メーカーも電動バイク市場に乗り出した。
本田技研工業は10年12月から、配達業務を行う企業や個人事業主を対象に「イーブイ・ネオ(EV―neo)」のリース販売を行う。家庭用電源で充電できて、急速充電器を使用すると20分で約80%の充電が可能だ。また、低回転からトルクのあるモーターの特性を活かし、荷物を積んでいる時も力強い発進性能を実現。ガソリンエンジン並みの実用性を備えている。
「東京モーターショー2009」に電動バイクのコンセプトモデルを出展したヤマハ発動機は、10年夏に市販する予定だ。