自民党は不信任案決議案の提出も検討
5月18日の記者会見での発言については、
「記者から辞任に関する考え方を問われたため、私は『批判があれば受け止めるが、私自身、農林水産大臣として、状況に応じ、適切な防疫措置及び、経営支援対策を講じてきた』 ということを述べたものであります」
と棒読みした。
赤松農水相をめぐっては、自民党の小野寺五典・外交部会長(宮城6区)が5月19日に衆院外務委員会で「大臣の責任を追及する」と宣言。自民党は、赤松農水相への不信任案決議案の提出も検討している。公明党の山口那津男代表も、5月18日の党内の会議で「対応を怠り、後手に回った責めは厳しく問われなければならない」と、批判を強めている。
このように野党側は、攻勢を強めたい考えだが、与党側も、一枚岩とはいかないようだ。
社民党の重野安正幹事長は5月20日の会見で、
「初動対応の遅れはあったのだろう。政府にその分の責任は、当然ある」
と、赤松農水相の責任に言及した。
さらに、TBSは5月20日朝、5月19日夜に民主党幹部が明かした話として「赤松農水相が外遊中に海外でゴルフをしていた」などと報じた。
これに対して、赤松農水相は、
「怒りに震えているね。あり得るわけがないじゃん、そんなことは。(外遊に)行った人は職員を含めて10名ぐらいいるんだから、その人たちに聞いても分かるし」
と全面否定した。
TBSの5月20日正午前のニュースによると、情報源であるはずの民主党の幹部も、20日朝になって「伝聞だった」などとして、具体的な根拠はなかったことを明らかにしたという。これを受けてTBSは、「発言に対する裏付け取材が不十分だった」として番組内で陳謝した。
この民主党幹部は「この時期での外遊は問題だ」との認識を示していたといい、身内からも「弾が飛んでくる」という危うい状況にあることが浮き彫りになっている。