「開き直り!自己正当化以外の何者でもない」
こんな状況に、5月20日の衆院本会議で、前出の江藤議員の怒りが爆発した。この日審議入りした農林漁業6次産業化促進法案について質問に立った江藤議員は、自民党の谷垣禎一総裁は、事前の予定をキャンセルして4月28日には現地入りしたのを引き合いに、
「大臣が初めて現場入りしたのは5月10日。現場から遠く離れた宮崎市までしか足を運ばなかった」
と批判。一連の答弁については、
「対策本部長ですよ!いささかの責任感もない!まさに開き直り!自己正当化以外の何者でもない」
「農民の苦しみを、ご自身の苦しみとして感じることができなかった。そのことが蔓延拡大の大きな原因のひとつだったと確信している」
などと声を荒げた。さらに、
「ある酪農家では、最後に、一番うまい最高のえさを与えてやり、体をブラッシングしてやって、乳房を拭いてやって、その後、一頭一頭、最後の別れを告げて、その目の前で、次々と殺処分されていったんですよ?畜産農家の目の前で倒れていったんです。その気持ちが分かりますか?そのあと私に、電話をいただきました。『大臣を、この場に連れてこい。そして一頭一頭、大臣の手で、銃で撃ち殺させろ。そうすれば、おれたちの気持ちも少しは伝わるだろう』。声を震わせておられました」
と、現地の窮状を訴えた。これに対して、赤松農水相は口蹄疫問題については約6分間にわたって答弁したものの、終始手元の紙に目を落としたままで、これまで政府が行ってきた対応と、今後の対応予定を読み上げるにとどまった。