「見えないところでいろんな制約がある」
学校給食の献立は栄養士が考えている。その際に参考にしているのが、文部科学省がエネルギーやタンパク質など栄養素の摂取量を定めた「学校給食摂取基準」だ。例えば6~7歳の場合、給食1回あたりのエネルギーは560キロカロリー、タンパク質が16グラム、カルシウムが300ミリグラムなどと細かく決まっていて、栄養士は基準を守り、1カ月単位で献立を考える。
40年間、学校栄養職員として勤めた関春子さんは、
「学校給食摂取基準のほかにも、見えないところでいろんな制約があり、栄養士はもんもんと悩みながら献立を考えています」
と明かす。
例えばラーメンの場合、ほとんどの学校で専用のどんぶりではなく、普段、味噌汁などの汁物を入れるお椀を使っている。これでは麺が少ししか入らず、エネルギーが足りないという。足りないエネルギーを麺に合うおかずで補おうにも、予算、設備、調理スタッフの数といった制約がある。結局、付け合わせをパンにせざるを得ないことがよくあるそうだ。
また、お菓子のような甘い物が入っているのは、生徒の要望を取り入れているから。最近の子どもはチョコレートなどの洋菓子を好み、揚げパンは今も昔も変わらず人気メニューとなっている。一方で気になる糖分については「さほど多くはないはず」という。