テレビのバラエティ番組で、女性お笑い芸人の月収予想ランキングが出て、話題になっている。1人70~240万円台まで出たが、多くの芸人が「そんなにもらってない!」。特に、吉本芸人の待遇は恵まれていないというが…。
お笑い芸人の光浦靖子さん(38)が、月収予想を243万8000円と聞かされたときだ。とたんにムッとした顔になり、眉をひそめた。
友近「CMを6本やってます」
司会からは、所属事務所が人力舎だから高いはず、と突っ込みが。しかし、光浦さんは首を振って、「そんなにもらってないですけど…」。
テレビ東京で2010年5月17日夜に放送されたバラエティ番組「やりすぎコージー」。そこに出演した女性芸人たち12人は、月収予想ランキングを聞かされ、トップになった光浦さんを始め、多くが不満げな表情をみせた。
ランキングは、12人に自分以外の人の月収を予想してもらって出した。予想は、その平均値らしい。
続いて、2位に入ったのが、吉本芸人の友近さん(36)だ。月収195万円と発表され、「いやいや」と首を振って否定した。しかし、「CMいっぱいやってるやろ」と司会から突っ込まれ、「6本やってます」と答えると、周囲から驚きの声が上がった。
12人中9人が吉本芸人で、3~5位に入った森三中の3人は、159~171万円台。8、9位のハリセンボンの2人が、124~130万円台に。ワーストの11、12位は、アジアンの2人で、76万円台だった。
いずれも、もっと低いと告白したが、南海キャンディーズの山崎静代さん(31)だけが7位、140万円の月収を明確に否定しなかった。
売れない芸人は月5~10万円
ネット上では、女性お笑い芸人たちの会話が常識を超えていると話題だ。
2ちゃんねるでは、「低すぎと思ったら月収とな」「俺の年収かと思った」「十分じゃねえかw」といった声に加え、「もっともらってるはず」「人気商売だから低めに言ってるんだよ」との疑念まで出ている。
芸能人では、月給が低いと言われていたタレントの眞鍋かをりさん(29)が420万円ももらっていたと元所属事務所が主張して、波紋を呼んだことがある。今回の芸人たちは、実際はどうなのか。
芸人の月収事情に詳しいある芸能関係者は、芸人たちは必ずしもウソを言っていないとみる。
「経費込みなら、予想月収ぐらいはもらっているでしょうが、手取りはそんなにないはずですよ。友近でも、150万円はないと思います。CMは、1本で1000~1500万円もらっているはずですが、吉本側の取り分もありますから。森三中も、年収にして1人1500万円ぐらいと聞いています」
吉本興業は、以前に比べて芸人の月給もだいぶよくなり、2010年に入って上場を廃止してからも、待遇は変わっていないという。
ただし、芸人間の格差は激しいようだ。
「売れていない芸人ですと、月給は5~10万円ぐらいになります。年収が60万円という芸人も、いっぱいいるんですよ。吉本以外も同様で、そんな芸人たちは、バイト生活で生計を立てています」
やはり、不満があったとしても、12人の芸人たちは、芸能界の「勝ち組」のようだ。