三菱東京UFJ銀行は、中国でのビジネスを強化している。2010年5月20日にも、中国の現地法人を通じて人民元建て債券を発行する。資金規模は10億元(約135億円)。中国市場で、外国銀行が中国で元建て債券を発行するのは初めて。日本の企業が中国への進出を積極化させているのに対応し、取引先などの中国進出や現地ビジネスを資金面からサポートするのに役立てる。
一方、中国政府は09年7月に人民元建ての貿易決済を一部解禁したのに続いて、中国本土での元建て債券の発行を外国銀行に認め、「元の国際化」を一歩進めた形だ。
期間2年の変動利付き金融債
中国本土で人民元建て債券を発行できたのはこれまで、中国の一部の国内銀行に限られていた。
三菱東京UFJ銀行は、09年12月に中国政府から、10年4月には人民銀行(中央銀行)から、それぞれ元建て債券の発行にかかわる認可を取得した。
同行の現地法人「三菱東京UFJ銀行(中国)有限公司」が発行する元建て債券は、期間2年の変動利付き金融債。すでに現地の格付け会社からトリプルAの格付けを取得している。利回りは上海の銀行間取引金利に連動する。
主幹事は中国銀行が務める。発行条件は5月20日に決定する予定だ。
三菱東京UFJ銀行は、預金や銀行間取引に限られていた人民元の調達を、資本市場からも直接調達して資金調達の幅を広げる。調達する資金について、「中国に進出した日系企業や現地の非日系企業を問わず、融資に充てていく」と話している。