法人需要の減少で経営ピンチ 大都市新車ディーラーは再編?

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リースにも異変、車持たない企業増える

   09年度後半はエコカーの減税と補助金で新車市場はプラス成長した。とくに登録車の新車販売は大幅な前年超えが続いた。ところが2月に東京の日産系の新車登録台数が前年を僅かに下回った。これは人気となったハイブリッドカーを持たない車種構成や、コンパクトカーの新型車が発売されていないことなどが影響したとされるが、最大の要因は東京の法人需要が低い状態にあることだ。

   バブル経済崩壊後の不景気によって、法人客が自社の車両を新車購入からリース契約へと切り替える傾向は続いた。大都市に本社を構える大手企業はもちろん、個人経営の商店も新車リースを選択する時代となった。

   ところがリース市場にも異変が起きた。日本自動車リース協会連合会がまとめた09年の新車リースの契約件数は50万台で前年比は21.5%の減少。新車販売に占めるリース車の比率は10.8%で前年を1.7ポイント下回った。新車のうち登録車のリース比率は10.3%で前年比2.4ポイント減、軽自動車のリース比率は11.7%で同0.5ポイント減となっている。

   新車リースの減少は、例えば4年間の新車リース商品を購入した企業が契約期間満了時に再リースを選び、月々のリース料金を低く抑える傾向が続いていることにある。なかには再リースも行わずに、車を持たない企業も増えた。新車リース、再リースとも減少すれば、車両の整備量も減ることになる。これらが、法人客の多い大都市の大手新車ディーラーを苦しめている。

   若年層の減少により新車市場が将来的に拡大することはありえず、近い将来、新車市場が数年前まで想定していた規模まで回復する可能性も低い。このため大都市の新車ディーラーの経営者たちは、自分の会社が3年後に存続できるのかを心配する。自動車メーカー各社は大都市市場に対して、てこ入れ策を打ち出せるのか。

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