年配の男性に愛用者の多かった下着「ステテコ」が最近、若い男性に売れている。おしゃれな柄物が登場して、部屋着としても人気が高まり、自分用に買っていく女性もいる。
下着メーカーのアズ(大阪府箕面市)が運営するウェブサイト「steteco.com」によると、明治時代に着物やハカマの下に履くものとして生まれた。明治13年頃に落語家・三遊亭円遊が舞台で披露した半モモヒキをみせる踊りが「ステテコ踊り」と言われたのがきっかけで、半モモヒキを「ステテコ」と呼ぶようになった。
1~4月の出荷数は前年の約3倍
年配の男性が履くイメージがあるが、最近は若い男性に売れている。といっても白や肌色の無地ではなく、カラフルな柄物が人気だ。
アズでは百貨店やセレクトショップ、インテリア雑貨店での取扱が増え、2010年1~4月の出荷数は前年の約3倍に伸びた。
広報担当者は、
「梅雨の時期にはムレ対策としてスーツの下に着て、夏場は1枚で部屋着として使うこともでき、下着、部屋着として両用できるのがいいところです」
と魅力を語る。
アズのオンラインショップで行ったアンケートで、購買層は20~70歳代と幅広いことがわかった。また店頭のスタッフの話によると、自分の部屋着にと買う女性もいる。
3000円台後半がよく売れる
東武百貨店池袋店は2009年から、若者に向けてステテコの販売に力を入れている。10年は展開ブランドを1.5倍に増やし、紳士肌着売り場に100種類以上を揃えた。花柄やアロハ柄、ジーンズプリントを転写したものなどバラティ豊かだ。
価格は1785円から6300円で、広報担当者によると3000円台後半のものがよく売れている。4月29日から5月5日のゴールデンウィーク期間中は気温が急上昇したこともあり、前年の6倍にあたる183枚が売れた。「これから暖かくなると、もっと売れるだろう」と広報担当者は期待する。また、ここでも一番小さいSサイズをルームウェアとして買っていく女性の姿が見られるという。