日本で発売が迫る米アップルの多機能情報端末「iPad」のWi-Fi+3Gモデルには、通信の際に必要な「SIMカード」について、通信事業者であるソフトバンクモバイル用しか使えないよう「ロック」がかかる仕様になる。ところが、アップルのスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)自ら、日本のiPadも海外のSIMカードが使えると「明言」したという話がでてきた。
ソフトバンクの孫正義社長は、SIMロックについて「アップルは理解してくれるはず」と考えるようだが、ジョブズCEOの理解とは違いがあるようにも見える。
ジョブズCEOにメールで問い合わせ
携帯電話で通信するには、電話番号をはじめ契約情報が記録されたSIMカードを差し込む必要がある。理論上は、SIMカードを抜き差しするだけで通信会社や携帯端末の機種を問わず「自分の電話番号」で通信できるはずだ。そこで通信事業者は、端末を特定の事業者のSIMカード以外使えないように制限を加える。これを「SIMロック」と呼ぶ。例えばNTTドコモの携帯電話からSIMカードを抜き、ソフトバンクモバイルの端末に差し込んでも使えないといった具合だ。
日本で販売されるiPad3Gモデルにも、このSIMロックがかけられることになった。この措置に不満を持った一人、東京在住のダグ・ラーナー氏は直接、米アップルのジョブズCEOにメールで問い合わせた。ブログサイト「モバイルインジャパン」2010年5月13日の記事に、その内容が書かれている。
ラーナー氏の質問はこうだ。「米国版と違い、(日本の)iPad3GはSIMロックがかかるようです。つまり、米国へ旅行する際に(米国の通信会社)AT&TのマイクロSIMを(自分のiPadに差して)使えないのです」「iPad3Gはとても優れた、海外でも使える機器のはずなのに、なぜアップルは日本では、米国のようにオープンにしないのですか」