「沖縄は鳩山首相に対して憤っています」
鳩山首相にとっては、頼みの綱の「環境」のはしごをはずされた形だ。こんな状勢では元の埋め立て案へ戻ってしまうのか。朝日新聞朝刊(5月14日)の「時時刻刻」によると、「首相周辺からは『工法なんてなんだっていい。米国がのめばいいんだから』という声すら上がる」「具体的な工法は6月以降に先送りしてハードルを下げ(略)」という動きもあるようだ。「結局は埋め立て」という決着も現実味を帯びている。
ところが、ここまで話をこじらせてしまったら、簡単に元の埋め立て案にも戻れないと、ある自民党の沖縄県議は怒り心頭だ。元の自民党案のときに「苦渋の選択」で辺野古埋め立て案を容認した。地元企業へお金が落ちる形も考慮して埋め立て方式に決まった。QIP方式は高度な技術が必要なため「地元へはカネが落ちない」として却下された案だ。
しかし、鳩山首相の「最低でも県外」に可能性を感じ、自民党の沖縄県連も「オール沖縄で県外移設を」の流れに乗ることに「苦渋の決断で方向転換した」。今さら簡単に「やっぱり辺野古埋め立てで」とはいかない状勢になっているという。
「ここまでこじれさせた責任をどう取るつもりなのか。私が自民党だから、ではなく本当に沖縄は鳩山首相に対して憤っています」