「もんじゅ」驚くべき作業ミス 制御棒の操作方法知らなかった

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   ナトリウム漏れ事故が原因で運転を停止していた高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)が運転を再開して、2010年5月13日で丸1週間を迎えた。14年5か月ぶりの運転再開だが、警報機の誤作動や、制御棒の作業ミスなどのトラブルが続出している。その中でも、作業ミスの原因は「増殖炉の根幹部分に当たる制御棒の挙動を作業員が十分理解できていなかった」という驚くべきヒューマンエラーによるものだ。

   トラブルは運転再開初日の5月6日から起きた。同日夜から翌5月7日にかけ、3台ある放射性物質検知器のうち1台が計6回にわたって、誤作動して警報を出した。ところが、もんじゅを管理する日本原子力研究開発機構は、5月7日午前10時の定例会見で発表せず、周辺自治体などから批判をあびた。

ボタン「長押し」の必要性を作業員知らず

   さらに、5月10日夜には、出力を下げるための制御棒の操作でミスが発生した。「微調整棒」と呼ばれる制御棒を一番下まで挿入する手順では、残り6ミリの位置でいったん挿入を止めることになっている。その後はボタンを小刻みに押して慎重に降ろす手順になっているが、残り3ミリの時点で、計器の値に変化がなくなったことから、作業員は異常が発生したと判断。作業を中断した。

   本来ならば、この時点で、ボタンを「長押し」する必要があったのだが、その作業手順を作業員が把握していなかったことが作業中断の理由だ。実際には、機器に特に異常がある訳ではなく、作業中断から1時間40分後に作業が完了した。

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