米アップルの多機能情報端末「アイパッド(iPad)」の国内予約が好調なようだ。「予定以上の需要があったため」店頭予約が停止された。予約はまだ、という人はどうやって買えばいいのか。
「iPad」の日本での予約受付が始まったのは2010年5月10日だ。わずか2日後の12日午後、アップルは直営店などでの店頭予約を停止した。アップル日本法人は「(ネット予約を含め)予定以上の需要があったため」としているが、具体的な数字は「公表していない」。実際に発売が始まるのは5月28日だ。
店頭で買えるかは「現時点では未定」
インターネットのアップルサイトでは、「Wi-Fi(無線LAN)モデル」のみ予約受付を今も続けている。「+3Gモデル」(Wi-Fi+3G携帯電話ネットワーク対応)は店頭予約しか受け付けていなかったため、「+3Gモデル」が欲しい人は身動きが取れない状況だ。
先行して4月3日に発売されたアメリカでも発売早々人気が集中した。3月末の先行予約が多かったため、一部の発送日が1週間以上ずれ込んだり、発売初日だけで販売台数が30万台を超えたりした。
日本でも経済誌などが相次いで「iPad」の特集を組むなど注目度は高い。予約開始初日の5月10日には、銀座のアップル直営店前には100人超の行列ができた。銀座の行列を当日見かけた、という男性は「並んでいる人に女性が多かったのが少し意外だった」と話しており、人気の広がりがうかがえる。
ではどのように手に入れればいいのか。予約しなかった人が販売している店へ直接行った場合はどうなるのか。制度上は買うことができるのだが、予約客優先のため、実際に買えるのか買えないのかは、「現時点では未定」(アップル日本法人)としている。
1年半から2年でかなり普及する?
しかも、アップル直営7店以外で「iPad」を買うことができるのは、大手量販店とソフトバンクショップのうち一部。例えばヤマダ電機では直営店数の1割程度の57店でしか扱わない。ソフトバンクショップは16店だけだ。こうしたことから、青森県など一部の県では取扱店ゼロのところも出る模様だ。
販売店数を10店に絞り込んだ理由について、エディオンのIR広報部に質問したが、「コメントできない」との回答だった。アップル製品については4月末までに、量販店のネット通信販売サイトでの取り扱いが次々停止されており、「iPad」も当然取り扱い不可になる。
結局、「Wi-Fiモデル」については、現在もネットのアップルサイトで予約可能で、発売日の5月28日以降も同サイトで予約できる。店頭でも販売される。
「+3Gモデル」については、店頭予約が停止された現在はお手上げだ。今のところは、発売が開始される5月28日以降、最寄りの取扱店をネットなどで確認し、直接店へ足を運ぶしかない。
「電子書籍元年 iPad&キンドルで本と出版業界は激変するか?」の著書があるメディア・ナレッジ代表の田代真人さんは、最初からアメリカのように爆発的に売れる訳ではない、と予測している。ただ、最初は様子を見る人が多いが、周囲の人たちが買ったものを触ると良さが分かって欲しくなり、「1年半から2年でかなり普及するのではないか」と話している。