三洋との重複事業を整理できるかがカギ
パナソニック・三洋連合が現時点ではリチウムイオン電池で世界に先行しているのは事実だが、サムスンなど韓国勢の躍進で価格下落も激しく、いつまで優位を保てるかは分からない。新興国市場は韓国勢が深く浸透しており、追う立場だ。
一つのカギは三洋との重複事業を整理し、成長事業に重点投資して競争力を高めることだ。しかし中計で重複事業の整理にはほとんど触れていない。7日の会見で大坪文雄社長が白物家電の開発・生産を統合することなどで、3000億円規模の事業を撤退すると表明したが、詳細は不明で、スピード不足は否めないところ。むしろ三洋の6月人事で生え抜き取締役を2人増やすなど、円滑な融合を優先する気配が濃厚。和を尊ぶパナソニックの戦略が、かつてないスピードが問われる世界でどこまで通じるかが注目される。