関空・伊丹空港8000億円売却 買い取るのは中国・中東のファンド?

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高くても4000億円まで?

   国交省の思惑通り、12年春に伊丹が株式会社となり、関空と経営統合したとしても、売却益を稼げなければ民営化の意味がない。果たして最大8000億円も投資して、関空・伊丹の運営会社を買い取る企業など現れるのだろうか。しかも、民間に売却するのは、空港の不動産は含まない、あくまで運営権だけの会社だ。リニア中央新幹線が開業後、廃港となった伊丹の跡地を政府は売却するという。そんな複雑で不安定な物件を誰が買うのか。

   地元財界からは早くも疑問の声が上がっている。関西経済同友会の中野健二郎代表幹事(三井住友銀行副会長)は記者会見で、関空・伊丹の民間売却案について「実現性がない。私が判断する立場なら投資はしない。買い手がつくとは思えず、実現は不可能だ」とバッサリ切り捨てた。国交省が当て込む8000億円という値段についても「高くても4000億円までだと思う」と否定的見解を示した。

   4000億円以下とすると、関空の有利子負債を一気に圧縮するという国交省のシナリオは根底から崩れる。少なくとも現在の経済情勢で、日本企業が関空・伊丹の売却に食指を動かすとは考えにくい。名乗りを上げるとすれば、中国や中東産油国など日本進出を狙う海外投資ファンドではないか、との観測が早くも飛び交っている。

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