若い男性に人気の渋谷系ファッション雑誌「men'segg(メンズエッグ)」2010年5月号に「非常にモラルに反する企画」があったとし、公式ホームページに編集長名で謝罪文が掲載された。全裸の男性が4匹の犬に全身を舐められる、そんな写真が問題となったのだ。ただし、読者からの苦情はほとんどなかったという。
「メンズエッグ」は、女性に大人気のストリートファッション誌「egg」の男性版として1999年に創刊された。10代後半から20代前半の男性をターゲットに人気を集め、「ギャル男」などの造語もここから生まれた。読者モデルブームも牽引し、植竹拓、佐藤歩、梅田直樹などを輩出。ファッションだけでなく、恋愛やSEXに関する特集も掲載されている。
全裸の体にドッグフードとバターを塗る
問題の記事は「井上キャバ男のオナニー道S.P.」。「メンズエッグ」の増刊号「men'seggWEST」の発売を記念して、増刊号の編集長に就任したキャバ男さんが全裸で登場。体にドッグフードとバターを塗り4匹の犬に舐めさせるという企画だった。写真は、キャバ男さんの股間に犬たちが顔を近づけるシーンが大写しになっており、「局部」をなめているようにも見える。
キャバ男さんは編集者やライターが本業。
「ハァハァ、いっ逝くぅ~ 生まれてきてごめんなさい・・・激しすぎる舌の動きに理性を保てずクラッシャー(照)!」
とよがっている。犬の感想として書かれた吹き出しには、
「ワォーン!この突起物、イカの臭いがするワン☆微妙に糸を引いてて、お腹壊しそうだワン・・・」
と書かれている。
「多くの方々に不愉快な思いをさせてしまった」
「メンズエッグ」は10年5月7日、保田和寛編集長名で公式ホームページに、非常にモラルに反する企画があったとし、
「多くの方々に不愉快な思いをさせてしまったことを、ここに謝罪いたします。今後は、雑誌制作における社会的責任やモラルを熟考し、真摯に誌面作りに取り組むように編集部一同邁進いたします。本当に申し訳ありませんでした」
との謝罪文を掲載した。
この雑誌はこうした「ふざけた」企画も多く、これが人気を集めてもいた。記事に関するネットの評価を見てみると、「いつからホモ雑誌になったんだ?」「犬を性玩具扱いしている」などの批判はあるが、「ファッション誌としては革新的」「コンビニに急げ!」などの評価もありバッシングには発展していない。
「メンズエッグ」の保田編集長に聞いたところ、発売日から2、3週間は特に「お叱り」のようなものはなかったのだそうだ。しかし、この記事がネットで話題になり、通常の読者ではない人達の目に触れるようになってから苦情が来るようになってしまったという。保田編集長は、
「今後はより広く気配りをしながら雑誌を編集するようにしたい、と反省しています」
と話している。