米軍普天間基地の移設問題が行き詰まりを見せ、「政治とカネ」の問題で民主党小沢一郎幹事長に対して「起訴相当」議決が出されたにもかかわらず、執行部の刷新や内閣改造を求める声は党内のごく一部にとどまっている。
「今、鳩山内閣に必要なのは、言い訳ではなく説明だと思っております」
「いかなる交渉をし、どんな壁にぶち当たり、現在の結果になったのか」
「やはり今、動くべきときだと判断しました」
2010年5月6日、地元の横須賀市などで行った街頭演説で、このように基地問題への対応を批判したのは、2009年の衆院総選挙で初当選を果たしたばかりの横粂勝仁議員(比例南関東ブロック)だ。また、横粂氏は、
「民主党執行部の刷新を、総理・幹事長、現状の執行部の刷新を求めていきたいと思っています!」
と、鳩山由紀夫代表と小沢一郎幹事長の辞任を求めた。また、支援者から
「あの2人(鳩山氏と小沢氏)、クビ切らんといかん」
と声をかけられると、
「そのお声が一番強いんですよねー」
と応じていた。
横粂氏と言えば、10年3月の生方幸夫副幹事長(衆院千葉6区)の「解任騒動」の際、テレビ朝日のカメラに対して
「3人の秘書の方が逮捕され、それによる説明責任というものが国民の皆様から求められており…」
と小沢幹事長批判を展開していたところに、小沢氏と近いとされる萩原仁衆院議員(大阪2区)が
「横粂!あかん!こっち来い!」
と、インタビューを無理矢理中断させたことが記憶に新しい。それでも執行部に対して抱いていた思いは変わらなかったようで、5月5日夜には、ブログに「民主党を想う」と題して、
「民主党に対するご期待、政権交代に託された想いにお応えできないような現状であれば、私は声を上げる覚悟です」
「若き志と信念だけでは解決できず、知恵と経験に裏打ちされた『実行力』が必要な場面があることも認識しています。単純な大衆迎合主義の危険性も認識しています。しかし、それらを認識した上で、やはり今、動くべきときだと判断しました」
などと決意を綴っている。翌朝の街頭演説で、それを実行に移した形だ。