異業種とのコラボでシニア層取り込む
――ところで、不景気が後押しした、という見方は正しい?
小磯 08年10月~09年9月の宅配買取申込数は前期(07年10月~2008年9月)比305%でした。家にあるものを売ってお金にしたいという人が増えたためで、景気の影響は大きい。新しい傾向も出ています。当社ホームページの検索窓に書き込まれたワードを見ると、「コムサデモード」「ポーター」「サマンサタバサ」といった国内ブランドが上位を占めるようになりました。実際にこうした中~低価格ブランドの買い取りも増えました。個数でみると7割を占めています。カテゴリー別では洋服が増えて、半数になりました。
――今後の見通し、戦略を聞かせてください。
小磯 買い取り申し込みは30歳代と40歳代が7割を占めます。ただ、50歳代以上も利用していて、最高年齢は91歳でした。中古品を売りたい。でも、質屋に行くのは恥ずかしいというシニア層は多く、まだまだ需要はあると見ています。
ニッポン放送のラジオ番組と提携したのもシニア開拓策の一つです。異業種とのコラボレーションにも積極的に取り組んでいます。単なる売買だけでは広がりがないからです。例えば、旅行会社の近畿日本ツーリスト。中古ブランド品を売って、海外旅行に行こうという紹介ページも作成しましたです。また、引っ越しの時に中古品を売る人が多いこともあって、アート引っ越しセンターとも提携しています。
単品だけでなく、中古のセット商品も売っています。婚活セットや、最近では卒業式・入学式セットも売りました。あっという間に売れたんで驚いています。ホームページで古着のトータルコーディネートを提案し、これが1人あたりの落札数の増加につながっています。1人で一度に30点落札したお客様もいらっしゃいました。こういう時代ですし、古着の全身コーディネートもアリなんですね。
小磯卓也(こいそ・たくや)プロフィール
デファクトスタンダード、マーケティング部主任。1983年、栃木県出身。「ブランディア」宅配買取サービス立ち上げ時から、マーケティングの中心として、提携先開拓、SEO/SEMを始めとした各種プロモーション、TV番組制作などに携わる。ダンボールにはブランド品とお客様の想い出が詰まっていると熱く語りながら、さらなる成長を目指し、広い倉庫を日々走り回っている。
デファクトスタンダード
ブランド品宅配買取「ブランディア」サービス開始から3年で利用者が11万人を超えた。08年10月~09年9月の宅配買取申込数は前期(07年10月~2008年9月)比305%、09年のオークション落札数は前年比236%だった。「Yahoo!オークション」では「ベストストア2009」でグランプリを受賞した。