鳩山人気は衰えを知らない!?―――鳩山由紀夫首相と幸夫人の似顔絵をプリントした「LOOPY(ルーピー)Tシャツ」がバカ売れし、品切れ状態だ。鳩山首相は2010年5月4に沖縄を訪問し、米軍普天間飛行場の県内移設を示唆する発言をして批判が集中、支持率も急降下中だが、Tシャツは別。「今が注文のピークを迎えている」とメーカーは話している。
「ルーピーTシャツ」の「ルーピー」とは、米紙ワシントン・ポストのコラムニスト、アル・カメン氏が鳩山首相をなぞらえた言葉。核安全保障サミットの最大の敗者であり「ルーピー」だとした。
売れ行きに火が付いたのは4月25日頃から
辞書によると普通は「愚か」「いかれた」という意味だが、カメン氏は、4月28日付のワシントン・ポストの電子版で、「ルーピー」は「浮世離れした」という意味だと説明している。
話題の「ルーピーTシャツ」は、鳩山首相の似顔絵と、鳩山夫妻2人の似顔絵の2種類があり、その似顔絵の下に「LOOPY」と書かれている。デザインは数十種類あり、色違いを含めるとバリエーションは1000種類。4月15日発売以来数千枚が売れ在庫はゼロ。現在は製造が追いつかない状態だという。もっぱら売れているのは夫妻の似顔絵のパターン。価格は税込みで2940円。ネット通販の「アマゾン」の2010年5月6日付け「Tシャツ・カットソーのベストセラー」ランキングでは5位に入っている。
このTシャツを製造販売する「クラブT」によれば、売れ行きに火が付いたのは4月25日頃から。特に宣伝したわけではなく口コミで広がっていったのだという。同社では政治関連のTシャツをこれまでも販売していて、例えば、福田康夫元首相の似顔絵をあしらった「あなたとは違うんです」Tシャツ、与謝野馨議員の「平成の脱税王」Tシャツなどがある。「あなたとは違うんです」Tシャツは1万枚を売り上げるヒットになったが、「ルーピー」はそれを上回る人気という。
夫婦2人の似顔絵が圧倒的に売れている
大ヒットしている理由について、鳩山政権発足時には支持率が高くマスコミも好意的に報道していたが、次第に政治の迷走が目立つようになってきて「鳩山首相は違うんじゃないの?」という気分が生まれてきた。海外のメディアで首相をバカにするような報道があったため、
「やっぱり、という国内の感じ方とマッチ。それを面白がる風潮が生まれたためではないか」
と「クラブT」では分析している。
鳩山首相一人の似顔絵よりも夫婦2人の似顔絵がプリントされている方が圧倒的に売れているのは、鳩山首相を連想すると、どうしても幸夫人とのセットでイメージされるからだろう、と考えている。
今回の沖縄訪問発言にショックを受けた人も多く、ジリ貧の支持率がさらに下がることも予想されるが、「それでも注文はピーク」と売上げへの影響は見られないという。
「面白がって買っていただいているわけですから、まだ首相に対する愛着があるのでしょう。本格的に嫌われてしまえば買う人はいなくなると思います」
と「クラブT」では話している。