新車は補助金終了する10月以降が正念場
トヨタは勢いのある他社の製品を標的に新商品をぶつける戦術で国内シェアを維持してきた。1990年代後半には40%回復に苦労したが、市場縮小で他社が販売網を整理したり、国内に適した専用車の開発から手を引いたのにともなってシェアは過去最高レベルに高まった。
2010年度は日産からジューク、マーチ、セレナ、エルグランド、フーガハイブリッド、EVのリーフと新商品投入が相次ぎ、挽回を図る一年になりそうだ。一方トヨタはプリウスの受注残が消え、新商品も「裏年」のため一気に登録車シェア50%超えとはいきそうもない。だが、新車市場は補助金が終了する10月以降に冷え込みに襲われるのが確実で、トヨタは限られたパイをとるために50%弱の確保に全力をあげると見られる。赤字や品質で叩かれたトヨタだが他社が牙城を崩すのは容易ではない。