東京証券取引所「地盤沈下」 上場企業数減少の一途

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   東京証券取引所に上場する企業数が減っている。2009年度末は2299社(外国会社を除く)となり、1年前と比べて81社も減った。上場企業数のピークだった06年度末からは約4%減ったことになる。

   なかでも、新規上場(IPO)企業は3年連続減少の24社と、まったく振るわず、3年前と比べて約3割減っている。経営破たんや事業再編によって、市場から退出する企業も高水準で推移しており、「入れ替え」が進んでいないことが市場全体を「地盤沈下」させている。

完全子会社化で上場廃止増える

   2009年度に東京証券取引所(マザーズを含む)に上場を果たした企業は24社。このうち、経営統合や合併、事業再編による「テクニカル上場」を除く新規上場は14社で、東証第2部に上場した三菱総合研究所や八洲電機、マザーズに上場したクックパッドなどがそれだ。

   一方、「テクニカル上場」の銘柄には、明治ホールディングス(明治製菓と明治乳業)やコーエーテクモホールディングス(ゲームソフトなどのコーエーとテクモ)などがある。上場企業同士の経営統合であれば、いずれかが上場廃止になるので、それだけでも上場企業数は減少する。

   さらに、親会社が上場子会社を完全子会社化するケースが増えていることが減少に拍車をかけている。たとえば、日立製作所は日立マクセルや日立情報システムズなどの上場子会社5社を、株式の公開買い付け(TOB)によって非上場にした。また、「お笑い」の吉本興業は経営陣による企業買収(MBO)によって上場廃止となった。

   もちろん、世界的な景気悪化による企業の業績不振もあるし、株価低迷の影響もある。時価総額で5億円未満になると上場廃止規定に抵触する(現在は特例措置で時価総額が3億円未満に引き下げられている)のだが、2009年5月にはマザーズに上場していたイベント・プロデュースなどのモックがこの規定に引っ掛かって上場廃止となっている。

   こうしたことから、09年度の上場廃止の企業数は81社に上った。

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