「ゾゾタウン」成功の秘訣 「値下げしない」「選んで売る」
インタビュー「消費崩壊 若者はなぜモノを買わないのか」第4回/柳澤孝旨氏に聞く

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

テレビCMで会員が飛躍的に増える

――ブランドを選ぶ基準はありますか。

柳澤 何でもかんでも売るのではなく、ブランドイメージや横並びも考え、自分達が好きなブランドを選んでいます。明確な基準はありませんが、当社の社員のほとんどが「ゾゾ」の元顧客で、ファッション好きという理由で入社し、お客様に近い感覚を持っています。選択にブレはありません。また、「ゾゾ」に出店していただく以外にも、ブランドの自社ECサイト運営の支援を行っています。今はオンワードや伊勢丹のメンズ館など6社に当社が構築してきた自社のシステム、デザイン、物流などのノウハウを活用して各社ECサイトの運営を支援しており、売上も順調に伸びています。最近ではさらに1社と契約が決まりました。

――最近はテレビCMも流しています。

柳澤 09年12月から10年1月に2タイプのCMを打ちました。1つは「ゾゾ」の認知度を上げるためのもので、もう1つはセールのお知らせでした。これが大成功でした。毎月の会員数が前月比3万人から5万人増だったのに、09年12月は13万人増、10年1月は15万人増と飛躍的に伸びました。また、CMで「ユナイテッドアローズ」「ビームス」「シェル」「ア・ベイシング・エイプ(R)」といったメジャーブランドを紹介したところ、実店舗でも売上が伸びたようで、喜んでいただけました。

――今後の展開を教えてください。

柳澤 新しく「ゾゾヴィラ(ZOZOVILA)」という島をイメージしたサイトを立ち上げて、「アンダーカバー」を始めとするラグジュアリーブランドを取り扱い始めました。評判は上々で、さらに充実させていきたいと考えています。また全体で取扱額1000億円、経常利益100億円という目標を立て、2~4年間で達成する意気込みでいます。本の通販なら「アマゾン」、ファッション系なら「スタートトゥデイ」と言われるようになりたいですね。

柳澤孝旨(やなぎさわ・こうじ)プロフィール

スタートトゥデイ取締役CFO。1995年富士銀行(現みずほ銀行)に入行後、1999年NTTデータ経営研究所入社、2005年みずほ証券勤務を経て、2006年2月スタートトゥデイに常勤監査役として入社。2008年6月取締役経営管理本部長に就任後、2009年4月よりCFOに就任し、現在に至る。


スタートトゥデイ

1998年、輸入CD・レコードのカタログ販売を手がける有限会社スタート・トゥデイ設立。2000年、カタログ販売をオンライン化し、アパレル商材の取扱いを始め、オンラインセレクトショップを次々オープン。2004年、その集積として、ファッションを中心としたショッピングサイト「ZOZOTOWN」を開設。2007年、「ZOZOTOWN」を含む各種情報サービスを展開するファッション総合サイト「ZOZORESORT」をオープンし、同年12月に東証マザーズに上場(3092)。2008年アパレルメーカーの自社ECサイト運営業務を支援する子会社「スタートトゥデイコンサルティング」を設立。2010年、ラグジュアリーブランドを扱うショッピングサイト「ZOZOVILLA」をオープン。2010年3月時点での会員は202万人以上、アクティブ会員は80万人以上。商品取扱高は370億円。

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