フェラーリ級の米国製電気自動車  消費者の眠りさます「黒船」上陸

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   米国カリフォルニア州シリコンバレーのベンチャー企業、テスラ・モーターズは高性能な電気自動車(EV)の2シータースポーツ「ロードスター」を日本で発売する。ロードスターは米国で2008年に先行発売され、これまで米欧で約1000台を売った実績がある。

   日本での販売価格は1810万円と高価だが、運動性能はポルシェやフェラーリ級で、ガソリンエンジンを凌駕する。まさに米国がEVのポテンシャルの高さを見せつける形で送り出す自動車界の「黒船」ともいえる存在で、日本市場に大きなインパクトを与えるのは間違いない。

ハイウェイ走行可能なEV生産する唯一のメーカー

米テスラ・モーター社HP
米テスラ・モーター社HP

   テスラは米国でハイウェイ走行が可能なEVを生産する唯一の自動車メーカーで、簡易な街乗り用EVを生産する中国や韓国メーカーとは異なる。今回、日本向けに初出荷されるテスラ・ロードスターは12台で、既に売約済み。ロサンゼルス郊外の港を出発し、5月上旬には横浜港に到着する予定という。日本初上陸はマスコミで大きく報道されるに違いない。

   テスラ・ロードスターは、英国の名門スポーツカーメーカー、ロータスの傑作車「エリーゼ」をベースに、強力なモーターでリヤタイヤを駆動する。高性能リチウムイオン電池を搭載し、1回の充電で走ることができる航続距離は380キロと、ガソリン車と遜色がない。日本で市販している三菱自動車の「アイ・ミーブ」、富士重工業の「スバル・プラグインステラ」、日産自動車が年内に発売予定の「リーフ」は、ガソリン車と比較した航続距離がネックとなっている。

0→100キロ加速が3.7秒

   もちろん、航続距離を稼ぐだけなら、高価なリチウムイオン電池をたくさん積めば解決できる。1800万円ものプライスでEVを販売できるなら、日本のメーカーにも実現は可能だろう。

   しかし、リチウムイオン電池を多く積めば積むほど、EVは重くなり、運動性能や燃費が落ちる悪循環に陥る。テスラ・ロードスターがすごいのは、モーターの最高回転数が毎分1万4000回転と高性能バイクかF1のような高回転を実現し、最大トルクが40.8kg-m(キログラムメートル)と強力で、0→100キロ加速が3.7秒とされていることだ。この加速性能は、まさにポルシェ、フェラーリ級だ。このスペックを見ただけで、クルマ好きは心躍り、ステアリングを握りたくなるに違いない。

   テスラ・モーターズは日本のパナソニックとEV用の次世代リチウムイオン電池を開発すると2010年1月に発表している。テスラが2011年に発売するセダンタイプの新型EVには、パナソニックがリチウムイオン電池を供給するとみられている。日本ではトヨタやホンダのハイブリッドカーが人気だが、高性能スポーツEVの上陸は日本のユーザーを目覚めさせ、日本でのハイブリッド対EVのバトルが一気に燃えあがる可能性もある。

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