不景気で古着をはじめとする中古品の需要が高まり、店舗を拡大する動きが出てきた。ゴールデンウィークに向けて新店のオープンも相次いでいる。
総合リユース業を営むトレジャーファクトリー(東京都足立区)は大型店舗「トレジャーファクトリー幕張店」を2010年4月29日にオープンした。フロア面積は約500坪で、ブランド品、衣類、服飾小物、アクセサリー、生活雑貨、生活家電、オーディオ機器、家具、ホビー、楽器、スポーツ用品、ベビー用品など取扱う。オープン当日は集客、売上げともに通常店舗の初日の1.5倍だった。
「ブックオフ」古着に力注ぐ
トレジャーファクトリーは09年3月から10年2月までの売上高が前期比23.3%増の52億3000万円、経常利益が前期比61.3%増の3億5700万円と大幅にアップした。
品目別では衣料・服飾雑貨(売上構成比41.4%)が前期比42.9%増と大きく伸びた。電化製品(同27%)は20.9%増、家具(同10.5%)は15.2%増となり、全般的に底上げした。売上好調のため、11年2月までに10店舗の出店を予定している。
中古品小売業は不況下で需要が伸びて右肩上がりを続け、市場規模は推定5000億円と見られている。
古本店「ブックオフ」を展開するブックオフコーポレーション(神奈川県相模原市)は、古本と古着を扱う複合業態「ブックオフプラス」の1号店を東京・昭島に4月17日にオープンし、続いて2号店を埼玉・川越に4月29日に出した。11年3月までにさらに8店舗をオープンする。
同社はこれまでも古着販売に力を入れていて、古着専門店舗「BINGO」「B・STYLE」「B・KIDS」と一部でメンズカジュアル衣料を扱う「B・SPORTS」の計130店舗を展開している。ところが「ブックオフ」に比べて認知度が低く、今回の複合店オープンにつながった。
また、「ブックオフプラス」より大型の「ブックオフスーパーバザー」でも古本と古着を扱っている。09年夏に1号店をオープンし、10年4月時点で14店展開。こちらも年間4店舗程度の出店を見込む。
ゲオは空きスペース活用して古着販売
ゲームソフトの販売やDVDを貸し出す複合メディア店「ゲオショップ」を展開するゲオ(愛知県春日井市)は、主力のメディア事業の売上げ(09年4~12月)が前期を下回ったこともあり、古着の販売に力を入れる。
ゲオショップ内の空きスペース30~50坪程度で中古衣料を売る。ゲオの100%子会社で古着小売業のセカンドストリート(埼玉県さいたま市)が買い取ったが、コンセプトに合わず同店には置けない古着を格安価格で販売する。10年4月までに70店舗で導入しており、11年3月までに250店舗に拡大する。
セカンドストリートも古着販売の265店舗(09年3月時点)を11年3月までに300店に増やす予定だ。