JAL地方不採算路線に「大ナタ」 小牧から全面撤退、国内線3割縮小へ

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   会社更生手続き中の日本航空(JAL)は2010年4月28日、東京地裁に提出する予定の更生計画案の骨子を発表した。大幅な事業のダウンサイジングを中心とした内容で、撤退路線も、当初計画から倍増させた。

   特に、国内ではかつては国際空港だった愛知県営名古屋(小牧)空港から撤退することも正式に発表され、地元記者からは経緯を質す声もあがった。

小牧空港からは全9路線が撤退

事業規模の大幅削減について説明する大西賢社長(左)と稲盛和夫会長(右)
事業規模の大幅削減について説明する大西賢社長(左)と稲盛和夫会長(右)

   この日発表された計画によると、2010年度中に国際線15路線、国内線30路線を廃止し、08年度比で供給ベースでそれぞれ4割、3割の削減となる。この大幅な規模縮小で、撤退する拠点も多い。国際線では、サンパウロ・アムステルダム・ミラノ・ローマ・ブリスベン・デンパサール・コナの7地点、国内線では、名古屋(小牧)・広島西・札幌(丘珠)・奥尻の4拠点から撤退する。丘珠、奥尻に乗り入れている北海道エアシステム(HAC)については出資比率を引き下げ、JALグループから外す。

   一方、羽田発着の国際線は、10月末に1日5便から14便に拡大。北東アジア諸国に加えて、サンフランシスコ、ホノルル、パリ、バンコク線を開設する。

   総じて、地方の不採算路線に「大ナタ」をふるう形だ。大西賢社長は、

「公共交通機関として、地元に生やした『根』を、自ら抜くことは避けるべきことだが、これを避けての再生は困難」

とし、地域ネットワークを縮小するにあたっての苦渋の思いを述べた。就航している全9路線が撤退する小牧空港については、地元自治体は猛反発している。

国際線完全撤退を否定

   これを代弁するかのように、地元でもある中日新聞の記者から、

「地元自治体から落胆の声が出ている。搭乗率が良かった路線も廃止対象に含まれている。廃止基準を教えて欲しい」

と、疑問の声もあがったが、大西社長は

「固定費が『切れる』かどうかが重要。ある地点から10便飛ばしていても、1便飛ばしていても、固定費は存在している。そういう観点から、小牧については全体的に赤字だった」

などと理解を求めた。

   また、たびたび「1社体制」が取りざたされる国際線については、稲盛和夫会長が

「JALを再生していくのには、国際線は非常に大事な路線だ」

と、改めて完全撤退を否定した。

   あわせて、3月から4月にかけて行われた特別早期退職について、3610名から応募があったことや、中核会社の日本航空インターナショナルは、09年3月の月次決算で16億1500万円の営業利益を計上したことなどが明らかにされた。

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