民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる収支報告書虚偽記入事件で、小沢氏を嫌疑不十分として不起訴処分にした東京地検特捜部の処分について、東京第5検察審査会は2010年4月27日、「起訴相当」と議決した。これを受け、特捜部は再捜査を行うことになる。
いわば、一度は決着したはずの事件が「蒸し返された」形で、民主党へのダメージが深まるのは確実で、鳩山首相と小沢幹事長の進退に注目が集まりそうだ。
「ITに疎い」大島理森幹事長も素早く動く
ツイッター上でも、自民党からは、続々と批判があがる一方、民主党の国会議員は沈黙を続けている。特に、「ツイッター議員」とされる国会議員までも、議決についての論評を避けるという有様だ。
検察審査会の議決をめぐっては、小沢氏は10年4月26日の定例会見で、
「私は潔白を証明してもらったと思っているので、検察審査会も、そのことを冷静に受け止めて判断いただければいい」
などと述べ、事件の「幕引き」を図りたいともとれる考えを示していたが、見通しがすっかり外れてしまった形だ。
議決を受け、特捜部は再捜査を行い、小沢氏の関与を示す新しい証拠が見つかった場合、原則3か月以内に起訴される可能性がある。特捜部が再び起訴を見送った場合でも、審査会が再び起訴すべきだと判断すると、裁判所が指定した弁護士が、小沢氏を「強制起訴」することになる。
今回の議決をめぐっては、ツイッター上でも、自民党から続々と小沢氏を批判する声があがっている。議員のツイッターアカウントを一覧できる「ぽりったー」で調べる限りでは、この問題について真っ先に声をあげたのが逢沢一郎衆院議員。15時40分に、
「当然の議決です。国民も、そりゃそうだろう、と受け止めるはずです」
と書き込んだ。永田町では「ITに疎い」との評判もある大島理森幹事長も意外に動きが速く、16時43分に
「非常に重いことである。鳩山総理の問題など、政治不信である中、このまま、政治とカネ、あるいは北教組問題などの説明責任に応じなければ、今後の国会審議に影響することもある」
と、審議拒否をちらつかせた。