ツイッターをめぐる「怪情報」が相次ぐなか、福岡市内の複数の高校で「ツイッターを禁止する校則ができた」などという偽情報が、ツイッター上をかけめぐった。ところが、実際に両校に確認したところ、「事実無根」「そういう話は聞いていない」と全面的に否定した。現場教師が独自の判断で「禁止令」を出している可能性は否定できないものの、出所不明の情報がツイッターを介して拡散するという構図が、またしても繰り返された形だ。
ツイッターが出会い系につながる??
ツイッター上で情報が広まりだしたのは、2010年4月26日夜。早良区の私立高校と、城南区の県立高校を名指しする形で、「校則でツイッターが禁止された件」などと題した書き込みが、次々にリツイート(再書き込み)された。詳細は明らかではないものの、(1)私立高校ではツイッターを禁止する旨の文書が配布されたしい(2)県立高校では、一部の教員がツイッター禁止を指示したらしい、といった内容が広まった。
特に、北川悦吏子さんが脚本を担当する人気ドラマ「素直になれなくて」が、ツイッターをきっかけにした恋愛関係を描いていることから、いわば「ツイッターが『出会い系につながる』と学校側が過剰反応した結果なのでは」といった趣旨の憶測がネット上では相次いだ。
ところが、真相は違い、学校側が特にツイッターを特定した形での対策を進めている訳ではないようだ。ツイッター上で指摘されている「ツイッターを禁止する校則」について、両校に確認したところ、私立高校の教頭は
「某新聞社に続いて、これで問い合わせは2件目です。全くの事実無根なのですが…」
と困惑気味。同校では、10年3月末までは、敷地内への携帯電話端末の持ち込みを禁じていたが、新年度から持ち込みは認める形で「規制緩和」した。だが、敷地内では原則として電源を切るべきだとの立場で、
「(ミクシィ、モバゲータウン、ツイッターなどの)個別のサービスについて校則で触れたことはない」
としている。
「今のところ、そういう話は聞いていません」
一方の県立高校の教頭も、
「今のところ、そういう話は聞いていません。携帯電話の持ち込みは認めていますが、緊急時以外は使用を控えるように指導しています」
と、同様だ。教室単位で担任の判断などで「ツイッター禁止令」に近い指示が出ている可能性は否定できないものの、学校が公式にツイッターを禁止した訳ではないようだ。
さらに、18歳未満の人が携帯電話を契約する場合、原則としてフィルタリング(閲覧制限)が適用され、ツイッターは閲覧できない仕組みになっている。つまり、大半の高校生は、保護者名義の携帯か自宅PCからしかツイッターを利用できないため、仮に学校で実際に「ツイッター禁止令」が出たとしても、実効性は低いと言えそうだ。