原口首相なら「『小沢傀儡政権』になる」
今後を占う最大のポイントは、政局の中心テーマにもなっている米軍普天間基地移転問題。5月中の「決着」を公約化した鳩山首相が政権を維持できるかが大きな分かれ道。退陣説が日々強まるが、「首相自身はあっけらかんとして、普天間が解決しなくても、首相をやめるような気配は毛頭感じられない」(与党筋)という。
続投しても、首相の指導力が回復する可能性は低そうで、小沢、反小沢「戦争」も絡んで議論がもつれ、大胆な決定は難しいというのが常識だ。ただ、「90年代の反自民連立政権の細川護煕首相が消費税アップに執念を燃やした前例もある。現実的な政策を打ち出す方が参院選に有利と鳩山さんが決断する可能性は否定できない」との見方もある。
鳩山退陣の場合、後継者次第ということになる。菅氏のほか、原口一博総務相も有力候補とされるが、両氏とも小沢氏の支援なしに首相ポストを得るのは難しいところ。それでも、菅氏は、現在も消費税の検討を打ち出しているように、比較的独自色を打ち出す可能性がある。他方、原口内閣なら「かつての海部内閣並みの『小沢傀儡政権』になる」(官庁幹部)との見方が強く、「当面は小沢氏に従って、バラマキ優先路線になる」(与党議員)との分析が専ら。
結局、消費税論議が一気に進むことはない、というのが永田町、霞が関の大方の見方だ。