人気マンガ『ナナ(NANA)』は作者・矢沢あいさんが病気で療養中のため、連載がストップしている。その後病状についてなんの情報も得られないなかで、女性週刊誌が矢沢さんに直撃取材し、本人は「重病ではなく、だいぶよくなっている」と語っていた。
『ナナ』は1999年に月刊少女マンガ誌『クッキー(Cookie)』で読み切りとして掲載され、2000年から連載がスタートした。単行本にもなり、21巻の累計発行部数は4600万部を超える(09年3月時点)。
人気は衰えることなく、新しい読者も増える
ロックバンドとしてメジャーデビューを夢見る20歳代の若者を描いた青春マンガ。登場人物のファッションに、矢沢さん自身が集めているという英国ファッションブランド「ヴィヴィアン・ウエストウッド」の洋服や小物がたびたび使用されたことも話題になった。
05年には映画化されている。主人公の2人の「ナナ」を中島美嘉さんと宮崎あおいさんが演じ、中島さんが劇中で歌う音楽は人気ロックバンド「ラルク アン シエル」が楽曲提供した。
連載は10年以上続き、開始当時20歳代だった読者は今では30歳代だ。人気は衰えることなく、新しい読者も増えて幅広い層に読まれている。少女マンガだが男性の読者も多い。
人気絶頂のなか、発行元の集英社は2009年6月に休載を発表した。理由は矢沢さんの病気だとされ、病名は明かしていない。一方、報道各社は矢沢さんが緊急入院したなどと報じ、記事は「Yahoo!トピックス」にも掲載されて注目を集めた。重病説も流れていた。
「倒れてから、まだ、一度もペンは握っていません」
休載から10か月。何の情報もなかったが、「女性自身」(2010年5月4日号)が「『NANA』矢沢あい独占告白 闘病10カ月」と題する記事を掲載した。女性専門の医療センターから自宅にタクシーで戻ってきたところを直撃取材したということだ。記事によると矢沢さんは、こう語ったという。
「いろいろ言われているみたいですけど、だいぶよくなってきているんですよ。漫画を描くのは体が資本なので、今はとにかく体がよくなることだけに専念しようと心に決めて、治療に励んでいます」
さらに「決して治らない病気にかかっているわけではないんです」「『気長に治療をすれば、少しずつ回復していく』と、医者の先生もおっしゃってくださる」といい、重病説を否定した。
一方で、
「倒れてから、まだ、一度もペンは握っていません」
「今はまだ、仕事再開の目処は正直、立っていない状況なんです」
とし、連載再開はだいぶ先になりそうだ。
J―CASTニュースは集英社の広報室を通して担当編集者に問い合わせたところ、
「記事に掲載されていることについて、回答は控える」
とのことだった。