充電や航続距離に不安の声 日産EV実用に耐えるのか

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   「補助金活用で299万円」という価格で登場した日産自動車の量産型電気自動車(EV)「リーフ」。2010年4月1日から全国の日産ディーラーで店頭予約を受け付け、12月から発売を開始する。店頭予約に先立ち、日産がウェブで実施した事前予約では、すでに9300台を受け付けた。

   ただ、ウェブ予約は正式な契約ではない。日産では秋に再度ウェブ予約者に購入の意思を確認し、リーフの生産に入るという。果たして、予約すべてが販売に結びつくのか。

上り坂でのバッテリーの減り方「ガソリン車の比ではない」

日産「リーフ」 実質299万円からの価格は魅力的だが・・・
日産「リーフ」 実質299万円からの価格は魅力的だが・・・

   充電インフラの整備や航続可能距離などEVへの不安要素は拭いきれないだけに、ウェブ予約者の契約状況が注目される。

   日産は、3月末にリーフの販売・生産計画および充電インフラの整備計画などを発表。国内では376万円からの価格設定で発売し、政府による購入補助金を利用することで、購入者の負担は299万円になることを明らかにした。

   事前に実施したウェブ予約では3月29日時点で9300台を受注。内訳は、一般個人客が7700台、大口法人自治体が1600台となっている。一般個人客の年齢比率は40歳代が最多。次いで50歳代、60歳代となっており、予約者の年齢層は比較的高い。三菱自動車の「i-MiEV(アイミーブ)」の個人予約客も同様に50~60歳代が多数を占め、個人向けEVは熟年層のニーズが高いようだ。

   では、実際に現在の日本でEVは実用に耐えるものなのか。営業車にEVの導入を検討している不動産会社の担当者は次のように語る。

「EVを借りて箱根を走った。峠道を上り始めると、みるみるうちにバッテリー残量が減り、不安になって途中で引き返してしまった」

   上り坂でのバッテリーの減り方は「ガソリン車の比ではない」という。現状のEVは市街地走行を前提とした「シティ・コミューター」として開発されているだけに、箱根の峠道は想定外だったのかもしれない。

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