両行とも単独での生き残りは厳しい?
新生銀は国から投入された公的資金の返済が約2200億円残っており、業績が2期連続で計画を3割以上下回れば、国から経営責任を問われる。八城政基会長兼社長(81)は10月の合併を花道に退任する意向だったが、引責辞任に追い込まれる形となった。
後任トップの就任には、旧第一勧業銀行(現みずほ銀行、みずほコーポレート銀行)OBで、現在はいすゞ取締役の当麻茂樹氏(61)が前向きな意向を示している。当麻氏にたどりつくまで、後任選びは難航し、大蔵省(現財務省)やメガバンクOBの名が次々に浮上。最近は銀行経営に無縁の商社OBまで候補に挙がっていた。
当麻氏はヘッドハンティング会社を通じ、3月にトップ就任の打診を受けた。周辺によると、すでに単独での生き残りを目指して経営戦略を描き始めているようだ。
だが、新生銀、あおぞら銀とも収益力や資金調達力に不安が残り、「単独での生き残りは厳しいと言わざるをえない」(日銀筋)。両行とも新たな統合相手探しに関心を示しているといい、再編劇の幕が再び上がる可能性もある。