映画、音楽、スポーツの3Dソフト増えるのか
現在、国内の液晶テレビメーカーで、基幹部品の液晶パネルを自社で開発し、生産しているのはパナソニックとシャープだけだ。ソニーはシャープと共同出資で大阪府堺市に生産工場を建設し、液晶パネルを調達しているが、韓国など海外メーカーからも液晶パネルを調達している。
シャープは新たに開発する4原色技術の3D用液晶パネルについては、ソニーはじめ他社には当面、供給しない方針で、ライバルと差別化を図る考えだ。
パナソニックやソニーが発売する3Dテレビの気になる店頭価格は、50型前後で40万円を上回るとみられ、デフレで値下げ競争に悩む電機メーカーにとって、3Dテレビは富裕層を狙える格好の売れ筋商品になると期待されている。
しかし、3Dテレビを購入しても、当面は3Dで視聴できるコンテンツは映画「アバター」など3D対応作品に限られる。ソニーなどは「映画、音楽、スポーツなどの3Dソフトは今後、拡大していく」と見ており、ケーブルテレビ最大手のジュピターテレコム(J:COM)は3D対応の送信サービスを始めたが、番組数は限られている。通常の民放やNHKなどの地上デジタル放送が、いつ3Dに対応するのかもわからない。3D番組が増えなければ、3Dテレビは宝の持ち腐れとも言え、対応のコンテンツの普及度が普及の鍵を握るのは間違いない。