アイスランドの火山噴火の影響で欧州の航空網がマヒしている問題で、じょじょに運航再開の動きが出始めている。日系の航空会社では、日本航空(JAL)が2010年4月19日にモスクワとローマで4日ぶりに運航を再開し、約540人が成田空港に到着した。これらの便は、日本と米国から欧州に飛行機を回送した上で運航されたもので、同社の在外日本人を母国に輸送しようという姿勢に、ネット上では珍しく賛辞の声が相次いでいる。
両便は4月19日夕方(現地時間)に相次いで現地を出発し、翌4月20日に成田空港に到着した。ロンドン・パリ・フランクフルトの空港は閉鎖が続き運航再開のめどが立たない中、ローマ・モスクワの空港は運用を再開しており、JALは噴煙による空域制限を避けた上で運航が可能だと判断。モスクワ発のボーイング777-200型機は日本から、ローマ発のボーイング747-400型機はニューヨークから回送して運航した。
噴火以来、まとまった数の日本人が帰国を果たすのは初めてで、ネット上では、珍しくJALに対する賛辞の声が目立っている。
例えば、「荒れがち」だとされるヤフーニュースのコメント欄でも、
「今までマスコミにのせられて散々叩いていたが、こういう記事を見ると『JALがないと困るな』って心底思う。身を呈して在外日本人を助けに行く姿勢は素晴らしいと思います」
「フラッグキャリアなら当然と言われるか、来てくれたと安堵するか、人によりけりだろうけど、何はともあれ無事に帰国できて本当にホッとしたことでしょう。JALもお疲れ様でした」
「海外で何日間も足止めを食らった日本人にとって、JALの赤い翼は嬉しいのでは?経営難かもしれないけど、JAL頑張れ」
といった、珍しくJALに好意的な声が多い。
今回の便が運航された2路線は、ライバルの全日空(ANA)は就航しておらず、JALの巨大な国際線網が役に立った形だ。