自分の体型にあった下着つけると体型変化少ない
一方、20歳代から50歳代までの30年間の追跡調査を行った女性100人の中で、若い時の体型を維持している人は25%を占めた。詳しく調べたところ、体脂肪が少ない、筋力があって疲れにくい、ぐっすり眠れている、ストレスをうまく消化している、生活習慣病の該当者や予備軍が少ない、といった共通点があった。日頃から体をよく動かしている、規則正しい食生活を心がけている、といった傾向も見られた。
また、体型変化の少ない女性は自分の体型にあった下着をつけていることがわかった。バストの場合はサイズだけでなく、形ややわらかさのあったブラジャーを選ぶことが重要だ。ジャストフィットしたブラジャーをつけると、バストを美しく見せることができるといったメリットもある。
ジャストフィットしたブラジャーを選ぶ際にはバストの採寸が欠かせないが、20~50歳代の女性200人に行った調査によると、「いつも採寸してブラジャーを買う」と答えた人は14%にとどまった。「してもらわない」が48%、「たまにしてもらう」が38%となり、8割が毎回採寸をしていない。さらに、採寸してみたらブラジャーのサイズが変わった人は71%にのぼり、間違ったサイズのブラジャーをつけている人は意外と多い。年齢にあったブラジャーをつけることも大切だ。加齢とともにバストが柔らかくなって形が変わるため、例えば20歳代用に開発されたブラジャーを40歳代がつけるとバストを美しく整えることができないからだ。
4月15日に都内で行われた記者発表会のトークセッションで、京都府立医科大学大学院医学研究科の河田光博教授は、
「若い時には乳腺が乳房の大部分を占めていますが、授乳後や加齢が進むと乳腺が萎縮し、代わりに脂肪が増えます。すると乳房の重みが増してクーパー靱帯が伸びやすくなり、生活の中のちょっとした揺れが長期間続くと完全に伸びきってしまいます。靱帯は筋肉のように鍛えて強化することはできませんので、乳房の揺れでダメージが及ばないように日頃からケアする必要があります」
と指摘した。
共立女子大学家政学部被服学科の間壁治子教授は、
「体型、年齢にあったブラジャーを付けることでバストの下垂を予防することができます。いかに自分にあったブラジャーを探すかがすごく重要になりますが、残念なことに若い人達はその域に達していない人が多く見られます。1つのメーカーにもいろんな設計のブラジャーがありますから、まずは採寸してもらって、たくさん試着をしてみてください」
とアドバイスしている。