「ウェブを補完」程度の期待なのか
「ツイッターで小説」が、商品の販促にどのようにつながるのか。日本コカ・コーラ広報本部によると、最初から「ツイッターありき」の広告戦略ではなかったとする一方で、若者を中心に利用者が増えているツイッターを使って仕掛けることで「話題が広がっていく可能性を感じました」という。ユーザーが「この小説おもしろいね」などとつぶやいたり、小説の内容をユーザーが「リツイート」(情報の再投稿)したりすることで、口コミのように商品の話題が広がっていく効果を期待したようだ。
小説という形式にしたのは、長編ストーリーを少しずつ出していくことで長期間、話題性を保たせるねらいだ。短い文章に区切って、気軽に読んでもらいたいとの意図もある。語り手のキャラクターも、「濃姫」をはじめ日替わりで変えていき、2週間にわたって話を続けていくという。
しかしこの試みは、コマーシャルから直接ツイッターの小説ページに誘導するのではない。いったんウェブサイトにアクセスさせる「続きはウェブで」と同じ手法なのだ。同広報本部は、「いきなりツイッターの『キャラクターページ』に飛ばしても、商品の説明がないのでユーザーは何のページだか意味が分かりません」と話す。
一方で、最初に特設サイトに誘導する理由は「まず商品に触れてもらいたい」というのが本音だ。ツイッターはまだウェブサイトを補完する役回りしか期待されていない、ともいえそうだ。今回の取り組みで成果が上がれば、今後ツイッターを本格的な「販促ツール」として直接コマーシャルからリンクさせる企業が現れるかもしれない。