電気自動車ではEV技術に強い日産が関与
「スマート/トゥインゴ」には、電気自動車(EV)も用意される予定で、その際にはバッテリーを始めEV技術に強い日産の関与が予想される。日産とダイムラーの技術陣は、インフィニティ向けのダイムラー製大排気量エンジンの供給でも協業することになるが、この案件でも高級なメルセデスベンツ用エンジンをどうコストダウンするかが課題になる。
一方、VWとスズキの提携では具体的なプロジェクトが明らかになっているわけではない。特定の商品ありきではなかった点でルノー・日産-ダイムラーとは提携の様相が異なる。「われわれは技術主導の会社」(マルティン・ヴィンターコルン会長)というように、VWも小排気量過給エンジンとデュアルクラッチトランスミッションによる低燃費車の実用化や、EVをも見据えたRRのコンパクトカー「アップ!」など、技術に強みとこだわりを持つ。
対するスズキは低コストへの強烈な意識が全社に浸透している。かつて鈴木修会長兼社長が「そんな部品、開発しないでどこかからもらってこい!」と言ったエピソードが伝えられている。二輪車事業で川崎重工業と提携したものの、実効が上がることなく終了した背景には、開発やコストをめぐる意識の隔たりが大きかったという。VWとスズキがどのように折り合ってプロダクトを造り上げていくのか、未知数の部分が大きい。