更正計画すんなりとまとまるか予断を許さない
日航は支援機構や日本政策投資銀行から注入された資金でなんとかもっている状況だが、6月末には更正計画を裁判所に提出し、自力再建に踏み出さないといけない。そのためには、メガバンクの融資による支えが不可欠。銀行団の強硬姿勢に、過度の人員削減には慎重だった稲盛会長も方針転換したと見られる。
ただ、再建手法については銀行団の中でも見解が分かれる。三菱東京UFJ銀行内には、人員や路線に大ナタを振るって早期の黒字回復を目指すべきとの意見が強まっているが、日本興業銀行時代から日航を支えてきたみずほコーポレート銀行には、過度のリストラは収益力を劣化させ、縮小のスパイラルに陥ると懸念する声もある。
全日空の主力行である三井住友銀は「お手並み拝見」とばかり、三菱東京UFJ、みずほの動向を見守っている状態だ。日航再建の行方は混迷を深めており、6月末を目標とする更正計画がすんなりとまとまるかは予断を許さない状況だ。