比較したのは半ば冗談?
辻原登さんのコラムでは、野球とサッカーを比較した後に、週刊ベースボールを読んだ感想が書かれている。そこで辻原さんは、元西鉄選手の豊田泰光さんのコラムを取り上げ、その中からグラブトス、バックトスの練習のため左手のキャッチボールを繰り返したエピソードを紹介した。
コラムの真意は不明だが、野球には、手を器用に使う面白さがあると言いたかったのだろうか。サッカーと比較したのは半ば冗談らしく、それ以外の他意はないのかもしれない。
野球ファンとサッカーファンは、機会あるごとに、お互いを話題にしている。
例えば、週刊プレイボーイが2010年1月18、25日号で、ドイツリーグで活躍中の長谷部誠選手のインタビューを載せたときだ。長谷部選手が、チームメイトから「野球って何?」と言われたエピソードを紹介すると、2ちゃんのスレッドでは、「焼き豚」対「サカ豚」のバトルが盛り上がった。このスレは、15以上にまで伸びている。
こうまでバトルが続く背景には、世代間の代理戦争という面もあるようだ。日本では、ポピュラーになるのは野球が早く、サッカーは比較的最近だ。コラムを書いた60代の辻原さんは、長嶋・王がいたプロ野球の黄金期を体験しているだけに、よけい思い入れが強いのだろう。
今回コラムが話題になったことについて、毎日新聞社の社長室広報担当は、「悪意はなかったにしろ、サッカーファンに誤解される表現だったことを、ご理解いただきたく存じます」とコメントしている。