携帯基地局巡り各地で紛争 鎌倉市は「設置条例」施行

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健康に悪影響という証拠は見つかっていない

   基地局から放射される電磁波が人体に与える影響について、これまでもたびたび議論になり、全国各地で紛争が起きている。

   宮崎県延岡市大貫町の住民は、携帯電話基地局からの電波で頭痛など健康被害を受けているとしてKDDIに対し操業停止を求める訴えを09年12月16日に宮崎地裁延岡支部に起こした。06年秋にマンションの屋上にアンテナを建てた直後から、住民が頭痛や耳鳴りなどを訴え始めたという。10年3月3日に第1回口頭弁論が行われ、KDDI側は基地局の電波により健康被害を受けているという事実は否認すると述べ、全面的に争う姿勢を示した。

   那覇市内のマンション屋上に設置された携帯電話の基地局をめぐり、健康不安を訴えた住人が携帯電話会社に場所提供の契約を更新しない旨を申し入れ、携帯電話会社が応じていたと10年2月27日付け「沖縄タイムス」が報じた。このマンションに住んでいた医師が居住する約40世帯から聞き取り調査したところ、半数の世帯で鼻血や頭痛などの体調変化がみられたという。一方、携帯電話会社は「健康被害は確認されていない。契約満了に伴い終了した」としている。

   基地局から放射される電波は「電波防護指針」で基準値が決まっている。国際的なガイドラインと同じ値で、総務省は「基準値を満たない電波が健康に悪影響を及ぼすという証拠は見つかっていない」としている。また世界保健機関(WHO)と協力し、1997年から10年間にわたり脳や神経、血液などに及ぼす影響を調べたが、「いずれも認められない」と結論づけた。

   電磁波情報を発信する財団法人電気安全環境研究所電磁界情報センターもホームページで、「携帯電話の基地局の近くに長く住んでいると健康に悪い影響が出てくるのか」との質問に、「WHOによれば、これまで集められた研究結果を考慮すれば基地局からの弱い無線周波が健康悪影響を生じるという科学的根拠はない」と答えている。

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