大手銀行の企業への貸し出しが減っている。日本銀行が2010年4月12日に発表した「貸出・資金吸収動向」によると、2009年度の全国銀行の平均貸出残高は前年度比0.8%増の402兆4027億円で、4年連続で増加した。10年1‐3月期は減少したが、企業の資金需要が旺盛だった上期中の伸びによって、年度ベースでプラスを保った。
ただ、大手銀行や信託銀行は前年同期比0.4%減の208兆9073億円となり、2年ぶりに減少した。
10年3月の全国銀行の貸出金残高(月中平均)は、前年同月に比べて2.0%減少の401兆1327億円となった。減少は4か月連続。企業の設備投資などへの意欲や資金需要が弱かった。内訳では、大手銀行が同3.6%減の206兆6757億円で、5か月連続の減少。地方銀行は横ばいで151兆8702億円、第二地方銀行は0.7%減の42兆5868億円だった。地域銀行の減少は5年ぶり。また、信用金庫の平均貸出残高は0.9%減の63兆2219億円だった。 なお、3月末のコマーシャルペーパー(CP)の銀行引受残高(末残)は、同34.1%減の8兆7131億円で、01年4月の調査開始以来、過去最低。CP残高が10兆円を割り込んだのも初めて。