日本銀行が2010年4月12日に発表した3月のマネーストック速報によると、代表的な指数の一つである「M2」(現金や国内預金など)の月中平均残高は、前年同月に比べて2.6%増の766兆円だった。ただ、伸び率は前月よりも0.1ポイント鈍化。5か月連続で縮小している。
M2に定期預金や譲渡性預金(CD)などを加えた「M3」は1065兆円で、前年同月比2.0%増。前月比では横ばい。このうち、定期預金にあたる「準預金」の伸びは前年同月に比べて2.3%増の551兆円だった。M3に国債や外債、投資信託などを加えた広義流動性は同1.0%増の1440兆円となった。
なお、同日発表された09年度のマネーストック統計は、「M2」が前年度比2.9%増、「M3」は2.0%増。なかでも、「準預金」は2.8%増となり、1990年度(3.1%増)以来、10年ぶりの高い伸びとなった。
企業や個人などがリーマン・ショック後に定期預金などの安全資産を増やしたことがうかがえる。