葬儀ベンチャー、外資系、流通大手が参入
あんしん館では葬儀を行わない、火葬のみの直葬が18万9000円、密葬・家族葬が36万7500円、白木・花祭壇が52万5000円、オリジナル花祭壇が84万円、グレードアップした祭壇が105万円から、とはっきり値段を打ち出している。プランによって寝台車や布団、ドライアイスなどが含まれる。また、「終わってみないと分からないので、見積もりは出ない」といってごまかしたり、多額の追加料金がかかったりするケースもあるが、同社は見積もり通りの価格しか請求しない。
葬儀にかかる費用のひとつひとつをオープンにしたティア(名古屋市)。遺体を運ぶ寝台車が3万円(同一市郡内)、その時に使う布団が1万1000円、ドライアイス1回分が5300円、消臭・防腐剤が1万1000円などとなっている。また、入会金1万円(ウェブ申し込みは8000円)を払って会員になると特典を受けられ、総額50万円5300円の割引になる(58万円以上の祭壇を使用した場合に適用)。
外資系企業オールネイションズ・ソサエティ(東京都中央区)は3つのプランを用意している。霊柩車代、お花代、マイクロバス代といったオプションについても明瞭な料金設定になっていて、必要な分だけ上乗せするという仕組みだ。ここも入会時に1万円払って会員になると、いずれのプランも10万円安くなる。
流通大手のイオンも09年9月から葬儀の窓口を設置し、葬儀社と提携して6つのプランを用意している。基本料金は全国一律29万8000円~148万円だ。
定額制や低料金を売りにした葬儀社が増えている。しかし、前出のあんしん館・松澤代表は、
「葬儀業界がオープンになったとはまだまだ言えません。ホームページを作っていても肝心の料金が出ていないこともあります。また安くしてサービスの質も下げることも見られます」
といい、値段に見合う葬儀を安心して行えるようになるのはまだまだ先のようだ。