入学した生徒全員が信者
カリキュラム以外にも、教義が大きく反映されている。募集要項には「宗教法人『幸福の科学』設置の仏法真理塾『サクセスNo.1』の推薦を受けた者は、特に考慮します」との記述がある。具体的には、教義を勉強して推薦を受けた生徒は、面接試験を免除される仕組みだ。また、奨学金が支給される条件には、「成績が著しく伸びた者」以外にも「仏法真理面で精進した者」といったものがある。教団広報局によると、実際に入学した生徒全員が信者だといい、「教団内エリート養成機関」という側面も強いと言えそうだ。なお、この点については、教団側は「今後、進学実績を積めば、信者以外の生徒も増えると思われる」としている。
いわゆる「新興宗教」に分類される宗教法人を母体とする学校で、「健康な英才主義」を打ち出しているのが、創価学会系の創価高校(東京都小平市)だ。「エリート志向」という点では、幸福の科学学園と共通していると言えそうだ。創価高校では、約350人いる卒業生の大半が創価大学(東京都八王子市)に進学するものの、10年の入試では3人が東大に合格している。また、創価大学からは多くの司法試験合格者を出していることでも知られる。「創価高校→創価大学」というキャリアは、教団内ではほぼ「エリートコース」として定着しているとも言って良く、幸福の科学にとってはモデルケースになりそうだ。
もっとも、幸福の科学広報局では
「学園を設立するにあたって、創価高校・中学校を意識したり、参考にしたりしていることは全くありません。同じ宗教系学校として、あえてあげるとすれば、ラ・サール学園等を参考にしています」
と、創価学会をモデルにしたことを否定。ただし、幸福の科学は13年には関西に中学校・高校、16年には千葉に大学を開校する予定で、
「将来的には、幸福の科学学園から幸福の科学大学に進学する子供たちも増えてくると思います」
ともコメントしている。やはり創価学会の相似形だとの指摘も出そうだ。
10年1月に、全国7か所の教団施設で行われた入試では、中学校60人、高校100人の募集に対して、それぞれ170人、168人が受験。合格者数は中学校が77人、高校が120人だった。2年目以降の入試倍率と、13年3月に明らかになる第1期生の進学実績に注目が集まりそうだ。