ネット上で露出規制をしていたジャニーズ事務所が、公式サイトで所属タレントの動画配信を始めた。そこでは、SMAPや嵐など看板グループのメッセージ動画が見られるのだ。どんなきっかけで方針転換したのか。
「嵐で~~~す」。5人固まって、こぶしを振り上げる「嵐」のメンバーたち。櫻井翔さん(28)が「29枚目の嵐シングル出ます!」と宣言し、リーダーの大野智さん(29)がシングル名「Troublemaker」と告げると、メンバーらが「やったー」と叫んで、パチパチと手を叩いた。
無料なのは冒頭部分だけ
これは、ジャニーズ事務所の公式サイトで始まった「メッセージ動画」の嵐バージョンだ。
メッセージ動画のサイトでは、嵐のほか、SMAP、Hey! Say! JUMP、V6、 NEWS、滝沢秀明、近藤真彦といったグループ、タレントの動画がある。ただし、無料なのは冒頭部分だけで、全編は有料会員にならなければ見られない仕組みになっている。このほか、CD、コンサートなどの情報があり、シングルなどのジャケット写真も小さく載っている。
ジャニーズ事務所は肖像権に厳しく、テレビの番組宣伝サイトでさえ、所属タレントの写真が御法度になっていた。それが最初に変わったのが2008年ごろ。番組サイトでは、タレントの写真を加工したイラストなどが使われるようになった。
そして、10年に入ると、嵐らも出演したNHK紅白歌合戦の動画がNHKサイトで有料配信された。その後、櫻井さん主演のTBSドラマ「特上カバチ!!」など民放各局の番組サイトなどでも次々にジャニタレの写真が解禁になった。
今回のメッセージ動画配信は、ジャニーズ事務所自らも「解禁」し始めた形だ。公式サイトによると、今後は特定の場所で公開していた写真やポスターを紹介したり、インタビューの内容を伝えたりするというのだ。これまでのネット対策を考えると、手のひらを返したようなサービスぶりなのだ。