寝ながら変身し、自転車でコケる 「仮面ライダー」イメージ壊れた

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「仮面ライダー」は時代が望んだヒーロー

   「仮面ライダー」は1971年4月からテレビシリーズが始まった。バイクを操る改造人間「仮面ライダー」の変身ポーズや必殺技「ライダーキック」が子供に大うけし、最高視聴率は40%にもなった。「ライダーベルト」などのグッズもバカ売れした。これまで30を超えるシリーズがテレビ放送・劇場上映されていて、悪をこらしめる正義のヒーローという筋が貫かれている。

   さらに、00年の「仮面ライダークウガ」以降、俳優がイケメン揃いだと評判になった。「イケメン番組」とも呼ばれ、子供の母親がファンになるという社会現象まで起きた。オダギリジョー、水嶋ヒロ、要潤、細川茂樹など多くの人気俳優を輩出した。シリーズ全般はシリアスな内容だが、07年から放送された「仮面ライダー電王」は、コメディータッチで描かれていて、「時を超えて 俺、参上!」などの決めゼリフとともに大ヒットした。

   40年近くも続いているこの人気シリーズは、時代の社会背景や、視聴者の嗜好に合わせ変化しているように見える。

   初代「仮面ライダー」の藤岡弘さんは10年4月5日付けのブログで、

「私の出演した仮面ライダーは見ていて恐かったと思う。緊迫感、恐怖感が1号は一番あったんじゃないかな」

と書いている。特撮を使った戦闘や、敵となる怪人の表現がリアリティにあふれ、子供達に強いインパクトを与えた。それだけでなく当時は、日本列島改造論が叫ばれた発展途上の真っ只中。安保闘争などで荒れ、日本全体に不安が渦巻いていた。だからこそ、当時の「仮面ライダー」は登場が望まれて生まれたヒーローで、子供達の見本となる象徴的存在だった、と藤岡さんは振り返っている。そして、

「時代の流れというのは、色々な事を教えてくれるね」

と結んでいる。イビキをかいたり、自転車に乗ったりするのも、この時代に望まれたヒーロー像なのかもしれない。

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