「いまが買いどきの水準にある」
株価(投資口価格)が低迷している状況でも、あえてハウスメーカーが参入するという状況に、個人投資家はJリート市場に明るさを見出したようだ。
こうしたJリート市場の状況に、アイビー総研の関大介代表は「いまが買いどきの水準にあるといった判断はあっていいでしょう」と話す。
「買い」の材料には、銀行の融資姿勢が軟化したこともある。Jリートによる保有物件は増えていて、2月までは8兆円を下回っていた物件取得額も3月にはこれを上回った。
4月8日には森トラスト総合リート投資法人が1100億円をかけて、森トラストが保有する東京汐留ビルディングを取得すると発表。リーマン・ショック後で最大の取得額となるが、このうち880億円が金融機関からの借り入れだ。
Jリートの公募増資も活発で、物件取得を組み合わせた資産規模と収益の拡大を図っている。予断を許さない面もあるが、リートの動きが活発化し、不動産相場全体が下げ止まりつつあるとの見方が広がってきた。
関代表は、「合併リートは今後の予定を含めて5件ありますが、どれも業績発表がこれから。ここでいい数字が市場に示せれば、いまの上昇基調もよりしっかりしたものになるでしょう」とみている。