発売から1週間足らずで、販売台数が45万台を超えた米アップルの多機能携帯端末「iPad」。早くも、その「中身」がどうなっているのかを調べる動きが出てきた。
米国の調査会社が、iPadを分解して使用されている電子部品を調べたところ、主要14品目に採用された企業のうち、日本の大手メーカーはゼロ。韓国・台湾勢に圧倒されていたことが分かった。
香港子会社が唯一の「日本勢」
米調査会社のアイサプライ(iSuppli)は2010年4月7日(米国時間)、iPadの使用部品に関するリポートを同社ウェブサイトで公表した。主要14部品の名称と部品を供給した企業名、部品ごとのコストをまとめた「部品表」(BOM)を掲載している。
部品供給企業には、韓国や台湾のメーカーがずらりと並んだ。1台のiPadに使われる部品で最も高額なのは、9.7インチのカラー液晶画面で65ドル。これは韓国LGディスプレーが製造したものだ。フラッシュメモリーとDRAMは韓国サムスン電子が提供している。またタッチパネル部品は、台湾メーカーの勝華科技が受注した。部品表には、ブロードコムやテキサス・インスツルメンツといった米国企業の名前も見られる。
TDK子会社の香港企業がバッテリー供給
一方で日本勢は、存在感が薄い。部品表の中に、日本の大手メーカーの名前は見当たらない。唯一、TDKの子会社の香港企業アンペレックス・テクノロジーが、バッテリー供給会社として名を連ねているだけだった。韓国・台湾製に押されて日本メーカー「惨敗」とも言える結果だ。
またリポートでは、iPadの生産コストと販売価格も比較している。16ギガバイト機種1台の部品原価の総額は250.60ドルで、製造コストを加えると259.60ドルとなった。米国での小売価格は499ドルなので、原価率は約52%に抑えられていることが分かった。