「疑わしい取引」の判断には時間がかかる
4月1日は、日経平均株価の終値が前日比154円46銭高の1万1244円40銭。市場全体が上向きだったとはいえ、ドワンゴ株は1日の値動きとしては株価で5000円高、出来高の3524株と最近1か月をみても突出している。
週明けの4月5日の終値は前日比3300円高の16万4400円。4月に入って、6700円もの急騰だ。
今回の「黒字化」の件について、ドワンゴ広報・IR部は「問い合わせは数件ありました。情報開示についてはホームページ上できちんと対応しています」と話している。
一方、東京証券取引所は「疑わしい取引が見受けられれば内部規程に則って調査しますが、個別の案件についてはお話できません」としている。
また、証券取引等監視委員会は「不自然だったり特異な値動きをする銘柄、公平性を損なう取引については一般投資家などからの情報提供を含め、監視しています。インターネットの掲示版やカキコミなどもその対象です」と話す。
ただ、実際に風説の流布や相場操縦にあたるかどうか、違法性の判断については「あくまで個別の案件ごとに対処しますし、明確な基準があるわけではありません」という。「法に照らしたうえで、しっかりと見極めています」としている。
ある証券関係者は、「ドワンゴの件はエイプリルフールネタだったとしても、あまり感心できないですね。投資家がどう受け止めるか、もう少し配慮してほしい」と、クギを刺している。